明日から,2014年度前期集中講義「フィールドワーク共生の森もがみ」が始まります。
僕も引率教員として「里地里山の再生Ⅰ」というプログラムに参加します。
今回のプログラムでは,学生たちは地域保全を行っている組織の方々と共に活動を行います.
受け入れ組織は,プログラムによって異なりますので,学生たちは活動体験にのめりこむだけでなく,そこに関わる人々や組織そのものにも目を向け,「地域の課題」について考察する必要があります.
こういったフィールドワーク型の教育活動だけでなく,インターンシップやボランティア活動など「現場」に赴くタイプの活動は,現場を「知った」気になるものの,いざ「で,どんなとこなの?」と聞かれるとうまく説明できない事があると思います.
現場を知るといっても,色々な知り方や内容がありますが,僕が初めてその地を訪れ,組織を知ろうとするならば,着目するのは
「ルーティン」
です.
その組織には,暗黙の了解と呼べるルーティンが必ず存在し,それらが複雑に絡み合って組織活動が成り立っています.
大学の授業も同じです.授業が成立するためには,教員が何週間もまえから授業の配布資料を作成し,それを事務にいって印刷願いの書類を記入して提出するというルーティンがあり,そして事務の方々は書類の中身をチェックし,期日までに印刷をする.教員は授業の15分ほどまえには教室の鍵を事務で受け取り,教室を開放してパソコンやプロジェクターの確認をする.授業一つとっても,数えきれないルーティンが存在します.
そして,そのルーティンは多くの場合当事者にとって日常的な事であり,部外者にとっては非日常的な事なのです.自分自身を振り返ってみると,自分が深く関わっていたもの,例えば参加していたクラブ活動やボランティア活動など,そこには必ず活動を円滑に進めるためのルーティンがあるのです.そしてそれは,そこに深く関われば関わるほど,具体的に語ることができると思います.
僕は,現場に赴き,「ルーティン」を浮き彫りにすることが,現場を知る上でとても重要なのではないかとと考えています。方法は沢山あります.まず,よく現場で活動を観察することが大事ですし,たまには体験し,フォーマルな場・インフォーマルな場に顔を出し続けることが必要です.それは,誰かの自伝を読むとか,インタビュー動画を観るとか,そういった事以上の情報量になると思います.
現場にはいったけど,いまいち理解しきれていない気がする.
そんな実感をお持ちの方は,是非トライしてみてください.