10月20日のEdu-Lab「質的データを用いた研究論文作成に向けて」(リンク)ですが,もう満員御礼だそうです.すごいですね.さすが森先生と村上先生.
日本教育工学会では,定量的研究が主流で,定性的データを質的研究手法を使って分析している論文は3割もありません.個人的には定量的研究も定性的研究もどちらも好きなので,必要に応じて選んでいます.
量的研究と質的研究,1文字しか違いませんが,研究をしていて一番緊張するタイミングは全然違うなと思います(当たり前...).
量的研究は,最後のポチッを押したときが一番緊張するときで,結果を見て係数と有意確率さえ確認できればあとはもうリラックスする事ができます.何なら,「じゃ,今日はもうこれでいいや」と気楽にゴーホームできます.仮説は支持されたのか,棄却されたのか.基本的にはどちらかなので,その先の考察についても道筋が立てやすいのです.
ところがどっこい
質的研究は,データ収集の段階から緊張感が生まれます.データ収集をしている段階で,「これでいいのか?」という不安が過ぎります.
特に,どっと疲れるのがデータを分析・考察するときです.全然ポチっと押しただけで済みません.延々と悩み続け,悩み続け,悩み続け,それでも何も出てこない事多々あり.これが辛いんですよね.
そんな苦労をして出た考察でも,査読者様に「意味がわからない」と言われてドンガラガッシャンになった日には,膝から崩れおちてしまいそうな気分.
でも,実はこの「意味がわからない」というのは分析結果の妥当性,信頼性,そして表現の了解性にかかわる重要な部分なんですよね.
結局,自分が「解釈」をする以上,そこにはどうしても自分の思考癖が反映されがちになってしまいます.そのため,関係のない第三者からしてみると,「意味わからん」と読めてしまう事もあるのだと思います.
20日は,「質的分析結果の妥当性をどう担保するのか」というテーマで話題提供させて頂きます.
福島での演習授業もありますし,ハードワークな10月になりそうですが,頑張ります.
あんた.....キツネ色から栗色に変わったんだね.